【育児】読書感想(1)
非認知能力とは具体的に何か。どのように育むかという育むか、問題意識で読んだ本3冊。
学力の経済学
![「学力」の経済学 「学力」の経済学](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51hwsP-za5L._SL160_.jpg)
- 作者:中室 牧子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/06/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
子育てや育児政策にも経済政策のようにエビデンスを!と唱え、様々な研究を紹介する本。
その主張自体は賛成だし、参考になる研究紹介もあったが、実践の面ではエビデンスのない恣意が残るように感じる。
例えば、「テレビやゲームは1日1時間」という制限は勉強時間を増やさないとし、制限したところで子どもが自動的に机に向かうわけではないからと分析する。他方、かといって2時間を超えると発達や学習への悪影響が飛躍的に上昇するので無制限はよくないという。1時間制限の分析が正しいならば、やはり2時間と制限したところでやはり自動的に勉強するわけではない。子どもが集中して勉強できる時間を確保したり意欲を出したりするのが問題の本質であって、ゲームの制限そのものに大した意味はないように思える。
幼児教育の経済学
![幼児教育の経済学 幼児教育の経済学](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/61wjbUU80mL._SL160_.jpg)
- 作者:ジェームズ・J・ヘックマン
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: 単行本
非認知能力の話題では必ずと言っていいほど引用されるので読んでみた。
ヘックマン教授の論考と、それに対する賛否の論考が並ぶ。情報としてはインターネットで収集できるもので十分であるように感じた。
ヒトの発達の謎を解く
脳の発達過程で、環境の影響をとくに受けやすい時期があり、これを踏まえた早期からの・個別型の発達支援が重要と説く。
その大切さはよくわかったが、ではどの時期にどのような発達があり、どのような支援がよいかまでは踏み込まれていない。新書なので入口としては十分か。心理発達学や脳科学の関連書籍を読み進めてみたい。