未踏の青

井の中の蛙、大海を夢見て

【育児】発達心理学と発達脳科学

育児実践に当たってあった方が良い知識はなんだろうか。

藤井棋士が時の人となってモンテッソーリ教育を関する情報を多く見かけるようになったものの、科学的根拠があるか疑問をぬぐい切れない。特に知育玩具を買え揃えようとなる辺りに胡散臭さを感じてしまう。もっとも、その理念や手法に賛同できる部分はある。

例えば子どものには発達段階があり、それに適した育て方があるというのは自分の直観とも一致する。この点について科学的な整理はないだろうか。

どうやらある。

発達心理学

人の加齢に伴う発達的変化を心理学ベースで研究する。幼児期に限らず一生涯を対象とするが、多くの場合、幼児や児童を念頭に置いているようだ。

心理学ベースということは、行動主義であれば心の内側はブラックボックスとして、実験を通じた刺激と反応の観察・分析を行う。言葉の話せない赤ちゃんも視線と表情で反応を分析し、様々な能力の獲得を推察していく。

このような発達心理学の知見からは、子どもが成長するとともに何からできるようになっていくかがわかる。実際に子どもをよく観察すれば今何ができるのか・次に何ができるようになるのかがわかり、その成長を効果的に支えたり促したりすることができるかもしれない。

発達科学・発達脳科学

前述の発達心理学は、他分野の発達によって、昨今、仮説が実証されるなどの進展がみられるという。こうした多分野と接続した発達心理学を発達科学と呼んでいる様子。

脳科学も発達過程の解明につながる他領域の1つ。年齢によって脳の発達(シナプスの増加と淘汰)しやすい部位が異なり、各部位の時間差がいやいや期・思春期などの特別な時期の発生に繋がっていることがわかってきたとか。

また、ある部位が敏感な時期に虐待など負の影響を受ければ、その部位に応じた障害が生じる。例えば1歳ごろに虐待・ネグレクトを受けると、報酬への脳活動が低下してしまい、おこずかいへの無反応といった愛着生涯に繋がるとか。

以前、非認知能力の最小構成を仮定し、これらの育成を特に重視することを考えてみたが、今は何らかの能力を固定的に目標とするのではなく、各発達段階に応じた個別対応型・臨機応変なカリキュラムが必要かなと思いつつある。
発達脳科学を中心に、発達科学を追っていきたい。