【育児】幼児教育とポータブルスキル改め非認知能力
前回、幼児教育の目的は「子どもがどんな幸せを追求したとしても役に立てること」とし、具体的にはポータブルスキルを養成することであると考察した。
ポータブルスキルという言葉は転職分野で使われているものを意識した。すなわち、転職で業種・職種が変わっても持ち運びができる能力である。社会人基礎力だとか本質的かつ普遍的スキルなどと表されることもある。たとえば、コミュニケ―ション能力、計画力などがある。
昨今、幼児教育の分野では「非認知能力」がホットワードとなっているようだ。
これは、ノーベル賞も受賞した経済学者のヘックマン教授の研究で広く知られるようになったものとのこと。
- 作者:ジェームズ・J・ヘックマン
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: 単行本
未読。いずれ読みたい。
同書は、第一に就学前教育がその後の人生に大きな影響を与えること、第二に就学前の教育ではIQのような認知能力だけでなく、忍耐力、協調性、計画力といった非認知能力の重要性を説いたものであるそうだ。
具体的には、意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、計画性、自制心、創造性、コミュニケーション能力だ。認知能力の獲得の前提・土台となるという説明もされるが、大人のポータブルスキルとして挙げられるものとほぼ一致する。
子どもであろうとも、大人になろうとも、何か追求したいものが生まれたとき、役に立てるポータブルスキルとは、幼児教育分野では「非認知能力」と表現されると理解した。
では「非認知能力」はどのようにして養成できるか。残念ながらヘックマン教授の同書では臨床までは踏み込まれていないとのレビューがある。
非認知能力はいずれも測定が難しそうだ。何が効果的な教育法なのか、試行錯誤をしてみたところで、コレという方法は見いだせないかもしれない。
先達の実例を参考にしながら、理解・納得できたものを実践するしかないのだろうか。
しばらく図書を読み耽ることにしよう。
ーー(2020/2/12 追記)ーー
ヘックマン教授の研究を見てみると、その研究に言う「非認知能力」とは、「認知的な能力(IQなど)以外の性質」ぐらいの意味しかないように読める。
そうであるとすればIQやテストの点数以外にも人生で大切なこと(well-beingや社会貢献に資すること)はある、という既知の直観について少し科学的根拠が付されたにとどまり、具体的にIQ以外のどういう性質が人生を豊かにしているかについては不明のままである。